在宅鍼灸医療の取り組み

今年度から開始された地域包括ケアシステムは今後の医療のシステムを大きく変える可能性があります。

地域包括ケアシステムとは、重度な要介護状態になっても住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように「医療・介護・予防・生活支援・住まい」の5つのサービスを一体的に受けられる支援体制のことです。

この5つの項目の中で鍼灸師が活躍できるものは「医療・予防(介護予防)」であり「住まい」を考慮した「在宅鍼灸医療」ではないでしょうか?

公益社団法人東京都鍼灸師会は「在宅鍼灸医療」のニーズに対して、平成25年度から年四回、以下のテーマで研修をおこなってきました。

平成25年度
1.「既に行われている在宅鍼灸医療の状況把握」「在宅鍼灸医療の問題点の確認」
2.「介護保険制度について」「擦過鍼を使った認知症周辺症状への対応」
3.「地域包括支援センターの活動について」
4.「訪問鍼灸の一例:「ケアマネから見た鍼灸師・鍼灸医療」

平成26年度
5.「在宅診療ドクターから見た鍼灸」「地域ケアシステムと鍼灸・鍼灸師」
6.「訪問看護師から見た鍼灸」「訪問鍼灸の実例」「コロコロはり教室」
7.「他職種との連携・報告書の記載例」「ホテル売上日本一のサービス提供」
8.「地域包括ケアシステムについて」「他職種連携の要・報告書作成について」

27年度は「訪問鍼灸医療の現場について現場の話」「患者さんの本音を引き出す傾聴について」「他職種連携の要となる報告書の記載方法について」をシリーズ化して研修を行っています。

以下は研修会に参加された方々のアンケートから抜粋です。

①「訪問鍼灸の実際」
・具体的な体験が聞けて勉強になった
・これから参考にしたい
・経験を積むことが大事だと思う

②「傾聴について」
・少しずつでも取り入れて、仕事をしようと思う
・すぐに実践できる内容で良かった。明日から考えを活用してみる
・とても良かった。カウンセリングの話はよく聞いているが分かりやすかった。

③「報告書の記載方法」
・SOAP(記載方法)の具体的な話は勉強になった
・大切である意味と練習のしかた役立ちます。実際に活用します
・心肺停止の話が良かった。貴重な体験談ありがとうございました。

◆2016年 統合医療展 松浦正人氏講演動画

統合医療展が東京ビックサイトにおいて1月26日と27日に開催され、二日間の来場者数は14,081名でした(主催者発表)。

来場者・出展業者は、一般の方々の他に予防医療やヘルスケアサービスに関心及び影響力がある医療・介護・サプリメント・栄養療法、補完療法・手技療法、生活習慣病予防、エイジングケア、クリニック&学会・団体など多岐に渡っていました。

主催者からの依頼により日本鍼灸師会として「鍼灸(師)と統合医療~介護予防と地域包括ケア~」60分の公開セミナーを受け持たせて頂きました(講師:松浦正人)。

下記は主なセミナー項目です。

「鍼灸師」について
統合医療と鍼灸・鍼灸の費用対効果・鍼灸の国家資格・卒後研修・鍼灸学会と団体・日本の鍼灸師内情・使用する鍼など。

「鍼灸」について
鍼灸の刺激と身体反応(1980年代と現代の比較)・生物心理社会的疼痛症候群・鍼灸が有効とされる疾患・症状についてなど。

「鍼灸(師)と介護予防・地域包括ケアシステム」について
その他の専門職としての鍼灸師・在宅鍼灸ケアの症例・鍼灸師と介護予防運動指導員・運動ケアの実例・鍼灸師と多職種連携・災害鍼灸医療(ボランティア)など。

このセミナーの動画をネット上にアップしました。ご興味のある方は下記のURLにアクセスし画面の指示に従ってダウンロードしてください。

http://xfs.jp/wB16D

※ファイルサイズが約200MBありますので、パソコンの容量にご注意ください。またmp4形式のファイルですのでパソコンにQuickTimePlayerもしくはWindowsMediaPlayerがインストールされているかどうかご確認ください。

▽下記YouTubeでもご視聴いただけます